小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

ちょっとリセット  ネガティブな事を書いていると疲れるのよね~。

youtu.be

 

淡々と、有った事を書いていっても、やっぱり疲れる

ネガティブな話題。

 

昨日は、何やら、苦手な「ながもの系」にしつこく攻撃されました~。

ハァ・・・しんど。

 

げに、一番怖いのは、「人の思い(重い)」でしょうか・・・・。

 

たまたま、見ていたブログのリンクで、こちらの音楽を聴きました。

 

お疲れの方に、是非。

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊲

そもそも、S所長と、Y所長のA班B班に分かれているのだから

本来なら、それぞれの班に、一名事務担当が在籍するのが

本来の形だったのだ。

 

一般的な経理事務と電話応対、手元金の管理、商品在庫の

管理、オーダー品の納品と管理、全員の勤怠管理と、

交通費精算、新人さんが入ってからは、それぞれ入れ替わり

立ち替わり、些細な事でも、相談してくるので、その対応など。

正直、手一杯になっていた。

 

それでも、展示会が、月一回だからこそ、何とかやって

来れたのだ。

このままの体制で、それぞれの班が、別々に展示会を催す

事になったら、物理的に、無理な事が増えてしまう。

 

一展示会毎に、会計処理をしなければならないシステムだった為

2班あれば、それぞれに、会計を締めなければならない。

それぞれの展示会開催日が、10~15日ズレて開催されれば可能かも

しれないが、万が一、数日を置かず開催されたり、最悪の場合

日付が重なったりしたら・・・・。

 

そんなことを考えると、居ても立ってもいられなくなり、私は、

Sに真意を問うた。

 

「所長、2班に分かれて、それぞれが展示会を開催するという

事ですが、万が一、開催日が重なった場合、事務は、私ひとり

しか居ませんけど、どうされるお積りでしょうか?」

 

「ああ・・・そうだな。

ま、でも、何とかなるだろ・・・・。一日おきに

会場へ行くという手もあるし、午前午後に分けることも

できるしな・・・。」

 

「そんな事したら、絶対に、収支が合いません。

この間だって、私が、ほんのちょっと席を外した時に、

Mさんが、勝手に金庫にお金を投入したことで、〆の時に

計算が合わなかったじゃないですか!

ほんの数分で、そうなんですよ。午前午後でも、相当

無理があるし、一日おきなんて、とんでもない事です。」

 

「いや~何とかなるって~。そもそも、

事務処理とか、大した事じゃないしさ~。」

 

(何ですと!私が事務処理せんかったら

交通費の清算もできしまへんで~。  ( ゚皿゚)キーッ!!

ストライキしたろか~~~~!)

 

そもそも、Sは、生活費の不足を、交通費精算で賄って

いた為、仮払、前払いが、異様に多かったのだ。

そのせいで、毎月決められた手許金で間に合わなくなり、

月に一度締めればよい決まりだったが、二度三度締めて

本社より、補足してもらうことも、しばしばだったのだ。

 

もちろん、事情は聞かれる訳だ。

 

本来なら、許される筈はないのだが、何故か、Sの場合は

部長の許可が出るのだ。

 

一体何様なんでしょか・・・Sって。

ひょっとして、将軍様のご落胤か!? (爆)

 

「確かに、営業あっての売り上げですし、営業が一番

と思われているのは、解りますけど、事務を蔑ろに

されるのは、どうかと思います。

一応、一部上場の会社なんですから、きちんとした

お金の管理はしていくべきかと・・・。」

 

「大丈夫だよ。若い子達に、しっかりと教えておくからさ。」

 

Sでは、話にならないので、Y所長に相談してみた。

 

「今まで、二班体制で、別々に会計していくのに、事務一人

体制で運営されている支店ってあるんですか?」

「う~ん、普通は2人だね。ただ、出来たばかりの支店だと

過去に、3か月事務を置かずに営業してた支店が、あったかな。」

 

  (絶句  ( ゚Д゚) )

 

「随分、いい加減ですよね~。営業が偉くて、事務なんて!って

体質の会社なんですかね?」

「いや、むしろ、うちの会社は、本社は事務方が威張っている

んだけどね~。 支店は、やっぱり、営業が強いかな・・・。」

 

「私、来年度は、PTAの役員をやらなければならないんです。

今でも、なかなか休めないのに、二支店分を一人でやるなんて

とても無理です。もう一人、事務の方を増やして頂けませんか?」

 

「もちろん、完全な2班体制になったら、やっぱり一人では

難しいので、採用の準備はしていくよ。」

 

「じゃ、よろしくお願い致します。」

 

しかし、なかなか採用に動く気配は無かった。

 

そんな折、私への意趣返しなのか、Sがとんでもない

禁則技を繰り出してきたのだ。

 

全国の、真面目な経理事務処理担当が、聞いたら・・・。

いや、ちゃんとした会社の総務部が聞いたら、驚天動地な

その出来事に、大人しい(?)私も、震えが止まらぬほど

怒り狂うことになるのだった。

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊱

展示会用の、様々な商品を用意してくれていた、お馴染みの

ベンダーさんたちが、強引で、傲慢なSを見限り、福岡で

行われる展示会への参加を、見送ることが多くなっていった。

 

Y所長や、私は、今までのベンダーさんに、何とか思い直して

くれるように、電話でお願いしてみたのだが、

「あんな奴と、一緒に仕事なんかできるか!」と

一刀両断されることも、少なくなかった。

 

さすがに、Sも焦ったのか、今までにない商品を扱うベンダー

さんを探し出し、誘致することに腐心していた。

本来、着物や、宝飾品がメインの展示会だったのだが、

ゲルマニウムの商品やら、健康食品まで並ぶようになった。

日ごろから、取引のないベンダーさんとは、仕入れ価格や、

振込日なども、改めて決めなければならないことも多く、

勢い、私の仕事も増えて行った。

 

信販さんを変え、ベンダーさんも変え、何とかかんとか

開催された、やっつけ仕事の展示会だったのだが、

目新しさが当たったのか、何時になく、売上が多くなり、

Sは、上機嫌だった。

 

お帳場で、最終日の〆をしている私の横で、電卓を叩いては、

ご満悦なS。

しかし、私は、どうしても計算が1000円合わなくて、

四苦八苦していた。

 

「え、何、千円少ないの?」

「いえ、多いんです。」

「じゃ、いいじゃん。」

「いえ、そういう訳には、いきません。伝票と収支が

合わなければ、〆るに締められません。」

「何だよ、そんな堅い事言うなよ~。たかが1000円

じゃないか!」

「そういう訳には、行かないんです、経理なんですから!」

 

「千円ってことは、考えられるのは、帯締め

預かり金とかだな。」

「多分、そうだとは思うのですが、入金の伝票がどこを

探しても見つからなくて・・・。」

 

お帳場に、二人っきりで籠っていたからだろうか・・・。

 

薄い仕切りの板の向こうで、新人さんたちの賑やかな声が

聞こえていたのだが、しびれを切らして、

 

「まだですか~。」

「二人っきりで、一体、何をしてるんですか~。」

「ヒュ~ヒュ~」

 

薄い仕切りを、叩きながら、揶揄う声も聞こえてきた。

 

仕切り越しに、「あ~解った、解った、もうすぐだからさ~

壁叩くなよ~。」

そう叫びながら、相変わらず、出ていく気配のないSに、

ちょっと私は、イライラしていた。

 

「所長、みんなと同じところで、待ってて頂いていいですか?

気が散りますので・・・。」

 

「ああ、気にするな~。打ち上げのことで、

みんな、気もそぞろなんだよ。」

 

(いや、そういう事じゃなくて!)(; ・`д・´)

 

「何回やっても合わないなら、もう諦めて、〆たら?」

「明日、改めて、皆に聞いてみればいいさ。」

 

確かに、この狭いお帳場で、これ以上、Sと一緒にいるのは

限界だった。

 

私は、しぶしぶ後片付けに入った。

Sは、意気揚揚と皆の待っているロビーへ出て行った。

 

「今日は、頑張ったな~。荷物を引き上げて、簡単に片づけたら

打ち上げ行くか~。」

 

「わ~い。」

「やった~~~~。」

「所長のおごりですよね~~~。」

「ひゃっほ~~~~っ」

 

翌日になって、例の1000円の犯人が解った。

愛人のMが、入金の伝票を切っていなかったため、

計算が、合わなかったのだ。

私が席を外していた時に、お金だけ金庫に入れて

そのままにしていたらしい。

 

おいおい、君のお陰で、お帳場ランデブータイムが

発生しちゃったわよ!

ああ~~~あ・り・が・と よっ!!  (。-`ω-)

 (嫌味100%増し増しで・・・・)

 

頼むから、二度と間違わんでくれ~~~。  

 

空気を読まないSとの、閉所缶詰は、ダメージ大きいわ!

 

閉所缶詰も、しんどかったが、売上が上がってしまったことで

ますます、Sの独壇場となり、誰も、意見が言えない雰囲気に

陥って行こうとしていた。

 

S所長とY所長との溝も、ここから、さらに深くなっていく。

 

ここまでは、一緒に展示会を開催していたのだが、これ以降

それぞれの所属するチーム別に、展示会を開く形に

移行していくのだ。

 

このことが、またSと私との、第二の闘争の火種となって

行くのだった。

 

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉟

展示会が、空中分解しそうな事態だったが、新人の営業

の14人は、何とか、盛り上げようと、展示会用の手作りの

飾りを作ったりして、健気に頑張っていた。

 

S所長や、Y所長が、何かと残業したがるタイプだった為

彼等彼女等も、先に帰るのは、とても勇気のいること

だったと思う。

 

時々お昼休みに、女子達の「こんな筈じゃなかった。」

「もっと、会社帰りに、習い事したり、買い物したり

できると思ってたのに・・・。」

という、悲しい呟きを聞くにつけ、この子達が、いつまで

こういう状態に、我慢できるのか、甚だ不安に思えた。

 

営業時間内に、下らない話をしたり、意味不明な、そして

行く先不明な外出を、Sがしたりしなければ、もっと早い

時間帯に、仕事を終えることができる筈なのだ。

 

単身赴任で、家に帰っても、何もすることが無い・・・って

理由で、新人さんたちを、付き合わせてどうする!

効率の悪い、典型的な、ブラック企業と言われても、

致し方ないではないか・・・。

 

「ねえ、どうして、うちの会社に入社したの?」

 

「お給料が、他より良かったんです。」

「住宅手当全部負担してくれるって、魅力的で・・・。」

 

「まあ、確かにね・・・。」

 

「あと、努力次第では、企画部に転部できるらしいし。」

「●●ちゃん、あなた九大だし、他にも選べたでしょ?」

「九電とか、楽勝だったんじゃないの?」

●●ちゃんは、肩をすくめて、首を横に振った。

 

まあ、確かに、九電は、学歴も必要だけど、だいぶコネが、幅を

利かせているって、噂は、昔からあったけどね・・・。

九州で一番の国立大学出て、うちの会社じゃ勿体なさ過ぎる。

 

おしなべて14人を見てみると、真面目で、いい意味でスレてない

悪く言うと、世間を知らなすぎる、自分の価値を最大限に

売り込めない、謙虚すぎる人が多いのだ。

 

こういうタイプの人は、Sみたいな、自分の価値を、それ以上に

見せるテクニックを持ち、手練手管に富んだ、悪だくみを

駆使するタイプの人間に、上手くこき使われてしまうのだ。

 

幸か不幸か、私は、彼らと同じ年齢の頃、悪名高きブラック

企業に就職し、本の出版企画部に、転部できる事を夢見て、

彼等よりも、更に過酷な営業に従事した経験があった。

当時も、国立の有名大学を卒業して、そんなブラック会社

入社いた同僚もいた。

結果から言えば、毎月バラバラと辞めていく人が

続出する結果になったのだが・・・。

 

私は、新人戦と言われる、売り上げ競争で、全国の中でも

上位に食い込み、しんどいながらも、なんとか頑張って

行こうと思ってはいたのだが・・・。

 

他の営業班が、土日出勤を強いられているのに、憤慨し、

その事で、上司と揉めてしまい、支店全員参加で行われた

裁判もどきの会議の中で、庇った同僚にウソの証言をされ、

裏切られたまま、退職せざるを得ない状況へと、

追い込まれてしまった。

 

「正義」という若気の至りで、新卒第一回目のキャリアを

棒に振ってしまったのだった。

 

そのころの自分と、彼等彼女等が、ついついダブって

見えてきてしまう。

新人さんたちは、あの頃の私みたいに、「アホな正義感」

で、キャリアを棒に振るタイプは、居ないと思うのだが。

今の現状を見る限り、いっそ、早めに見切りをつけて、

次のステップに行った方が、幸せな気すら、してきたの

だった。

 

後に、この私の老婆心は、現実になるのだが・・・。

 

 

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉞

他県の所長さんたちから、叱られるわ、大人しいと思っていた

おばちゃん事務から、啖呵を切られるわで、Sとしても、

ちょっと考えるところがあったのか、しばらくの間は、

大人しい状態が続いた。

 

信販のTさんも、ほっと胸を撫でおろしていたのだが、

実は、これはフェイクな静寂に過ぎなかったのだ。

 

反省していると見せかけて、時間を稼ぎ、Sは、その間に

私たちが考えもしない策に打って出たのだった。

 

人手が足らず、お客様に、十分な対応が出来なかった時代から

当社の社員でもないのに、何くれとなく、心を砕いて、親身に

なって動いてくれた、信販のTさん。

それなのに、彼女の「厳しい目」があるから、新人の美人

派遣社員さんに近付けないと思ったのだろうか・・・。

 

こともあろうに、Tさんを、担当から外すように、信販会社の

上役に、こっそりと、裏から働きかけていたのだった。

 

そして、次の展示会には、まんまと、美人派遣社員さんと、

別の新人派遣さんを、手配させる事に成功したのだった。

 

しかし、慣れない二人では、信販の契約事務ですら、色々と

手違いが起こり、お客様に、ご迷惑をかけることに

なってしまった。

 

「何で、Tさんが来なくなったんですか?」

 

「いや、別にいいだろ、実際、オバちゃんより、若い子の方が

ずっと明るくなって、いいだろ?」

 

「そう思っているのは、所長だけですよね?」

 

「実際、彼女達の本来の仕事である、信販の契約すら、ちゃんと

出来ていない状況ですけど?」

「今まで、Tさんは、自分のお仕事は、もちろんのこと、

私たちの手に余る仕事まで、自ら、進んで手伝って下さって

いました。そのお陰で、今まで展示会もつつがなく、運営できて

いたんですよ。」

「Tさんに、何の落ち度も無かったのに、いきなり来なくていい

って、良く言えましたよね!」

 

「今は、若い子も、沢山居るじゃないか! 助けが欲しいんなら

若い子に言えば、いくらでも手伝ってくれるさ!」

 

全く意に介さないSに、イライラする私。

 

(てめ~っ、人の誠意を何だと思ってやがるんだ~~っ!)(; ・`д・´)

 

若い派遣さん二人に、顔も綻ぶS。

それぞれ別個に、デートの誘いをかけるS。

 

 (もはや、呆れて言葉もない)

(お前の辞書には、分別て、二文字は無いのか~~!) 

 (# ゚Д゚)♯ 大バカヤロ~~~

 

「ちょっと聞いてよ~~~~。」と

仙台の同僚に掛ける電話の回数も、当然のように増えた。

この腹だだしさと、虚しさは、経験した者同士でしか

共感できないからだ。

 

「一体、どうしたらいいんだろう・・・。」

 

もう無策状態に陥る私。

 

正義の味方Tさんを失って、お先真っ暗状態になって

しまった。

 

ここぞとばかり、我が世の春を楽しむ、やりたい放題のS。

 

しかし、ついに、美人派遣社員さんの堪忍袋の緒が切れる

時が来た。

彼女は、自ら、上司に、今までの顛末を話し、退職する旨を

告げたのだった。

この事態を、重大に捉えた信販会社の上司は、うちの本社に

対し、文書で、Sの行状を訴えたのだった。

これには、さすがの統括部長も、無視は出来ず、直接福岡

支店に、電話を掛けてきた。

 

「一体、どうなってるんだ! 信販会社から、物凄いクレーム

が来たんだぞ!」

「君がついていながら、何してるんだ?」

 

(はあ? 何いってるんだハゲ! 私は、Sの妻でも、愛人でも

上司でも、監視係でも何でもないんだぞ~~~何なら部下だわ!

Sのだらしなさの責任なんか、一mmたりと取れるか!)

 

そう言ってやりたい気持ちを抑えつつ・・・・。

 

「部長、パートの事務の、おばちゃん如きの小言で、所長が

大人しくなるとでも、お思いでしょうか?

もし、そのような真摯な方でしたら、あちこちの営業所で、

武勇伝が生まれたりしないでしょう?」

「ここは、やはり、直接部長の方から、ガツンと所長に

言って頂くのが一番かと・・・。」

 

「うん・・・まあ、それもそうだな・・・。」

「Sは、今居るのか?」

「はい、お電話お替り致します。」

「所長~統括部長から、お電話入りました~。」

バルコニーで、たばこを吸っていたSに、私は

電話を取り次いだ。

 

暫く、話し込んでいた二人だったが、どう丸め込んだのか

結局、Sにお咎めは無かったようだった。

 

一体統括部長は、Sにどんな弱みを握られているのだろう・・・。

そう思わせるほど、統括部長のSに対する態度は、いつも

弱腰だったのだ。

 

さては、綺麗どころ、斡旋したね・・・・。

 

統括部長も、頼りにならないとすれば、一体何を武器に

戦っていいのやら・・・。

 

新人の信販社員さんとも、デートが取り付けられなかった

Sは、とうとう、その信販会社との契約さえも打ち切った。

 

「所長、何考えてるんですか!」

 

「あちらの信販会社さんとは、長いお付き合いもありましたし

色々、便宜を図って頂いてきました。」

「ご年配のお客様が多い、うちの会社では、審査が厳しいと

信販契約すら、結べないんですよ!」

 

信販会社なんて、いくらでも代わりがあるじゃないか!

もう既にN信販には、話を通してあるから、心配しなくても

困らないから。」

 

(てめ~~っ、信頼関係って、そう簡単には築けないってこと

知らないのか~~~~~。 ゼイゼイ)

 

この頃になると、信販会社だけでなく、商品を提供してくれる

ベンダーさんとも、大いに揉める事態に陥っていた。

 

もう展示会自体が、大ピンチに陥りそうになっていた。

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉝

ある日の午後、私は、Sから呼び出された。

 

「ちょっと瑠璃さん、入り口のドアストッパーなんだけど

どのタイプにするか決めたいんで、ちょっと見てくれる?」

 

「え、ドアストッパーですか? 所長の使い安いタイプで

決めて頂いていいと思いますけど・・・。」

 

「まあ、そう言わず、ちょっと、こっちに来て、実際に

見てみてよ。」

 

私は、Sの後について、入り口のドアの外側に立った。

 

「やっぱりさ、この一本足タイプだとさ、荷物を運ぶとき

ドアの重さを支えきれずに、動く可能性があるから、もっと

しっかりした、こっちのタイプがいいよね?」

Sが、しゃがみ込んで、ドアの前に座って、カタログを見て

いたので、私も、同じ体制でしゃがみ、カタログを除き込んだ。

 

「そうですね、そちらの方が、安定感があると思います。」

「じゃ、こっちにするか・・。」

 

わざわざ、私に見せるほどの事でもないのに・・・と思いつつ

立ち上がろうとしたのだが、それを遮るかのように、

Sは話し続けた。

 

「ところでさ・・・・まあ、色々噂というか、色んな誤解が

あるんだと思うんだけどさ・・・・。」

 

その一言で、私は、例の一件だと察した。

 

「何のことでしょうか?」

 

「何か、俺がさ~、色々良からぬことをしているって噂が

立っててさ~。」

 

「へぇ~そうなんですか~、噂なんですか~。」

「火のないところに、煙は立たずって言いますけどねぇ~。」

 

「いや、誰かが、火のない所で、煙モクモク出している

みたいなんだよね~。」

「あら、誰でしょ?」

「いや、他に居ないでしょ?」

 

「私、別に、煙モクモク焚いてませんよ。むしろ煙が

小火にならないように、火消ししている積りですけど。」

 

「噂に尾ひれが、ついちゃってさ、大げさになって、困ってる

んだよ。」

「あちこちの所長から、怒られるし、部長には睨まれるし。」

 

「尾ひれ? 尾ひれの部分で、どこでしょうか?」

「所長が、信販会社の既婚女性を口説いて、意に添わなかった

から、「辞めさせる」と脅して、ご本人がトイレで、泣いて

しまわれた・・・って部分でしょうか?」

 

「これ、尾ひれでなくて、事実ですよね?」

 

「いや、食事には誘ったよ。確かに・・・。でも実際デートも

した訳じゃないんだし、色々詮索されるのはさ・・・。」

 

「所長、事の重大さ解ってます?」

 

「デート云々じゃなくて、嫌がる女性に、職権乱用して

自分の思い通りにしなければ、辞めさせるって言っている

んですよ。」

 

「これ、立派なセクハラで、パワハラですから!」

 

「きちんと、相手に謝って和解しないと、訴えられることも

あるし、既に、信販会社の上司に、事情が知れ渡っている

かも知れないんですよ。信販会社の方から、正式に通知が

来たら、社長にも知れてしまうかも知れないんですよ。

そうならないように、所長さんたちが、ストップかけて

くれようとしているんです。」

 

「いや、それが余計なことじゃないか~。」

「はぁ~!?」

 

私たちは、座った姿勢から、いつの間にか立ち上がり、

腕を組んだままで、お互いを睨み合って立っていた。

 

不穏な空気に、部屋の中で作業していた新人達が、いつの間にか

こちらを、チラチラと盗み見していた。

 

「痴話喧嘩?」

 

そんな声が、聞こえた。

 

(冗談じゃないぜ~~~~。何が痴話喧嘩だ!)

 

私は、急にバカらしくなり、踵を返した。

 

「とにかく、自重してくだいよ。」

「私は、もう知りませんからね!」

 

年下とは言え、パートのおばちゃんが、上司に正々堂々

楯突いた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉜

仕事から、戻ると、食事の支度・片付け・お風呂・そして

子どもの世話が待っている。

 

一通り済ませると、私は、携帯電話を取り出した。

今日の一件は、事務のパートのおばちゃんが、簡単に

解決できる問題ではないからだ。

 

電話の相手は、同期の仙台支社の事務の女性。

彼女とは、当時、一度も会ったことは無かったが、入社した

時期が近かったこともあり、複雑で独自な会計処理の仕方や

システムの不具合の件で、お互い、相談することが多くなって

仲良くなったのだった。

結構、物理的距離は離れているけどね・・・。

 

「いや、もう聞いてよ~~~。」

「何々?」

「奴が、やらかしてくれたのよ~。」

「え~~~また? 女性関係かい!」

「それ以外無いでしょうよ・・・。」  "(-""-)"

 

仙台の彼女も、Sと短い間ではあったが、働いた経験があり

Sの女癖には、辟易させられた一人でもあった。

 

「で、何やらかしたの?」

「実はさ、信販の既婚女性に、お付き合い迫ってさ

振られ続けたもんだから、とうとう首にするって

恫喝しちゃってさ~。」

「え~~~もう、何・・・何やらかしてるのよ~。」

「でしょ~~~~。」

信販の先輩女子が怒ってさ、上司に報告して、会社

として断固抗議してもらう!って、もうレッドカード

状態なのよ~。」

 

「あいた~~~やらかしたね~。」

 

「うちに居た時はさ、こっちのレディさん、あっちの

レディさん(営業レディ)って、渡り鳥みたいに、渡り

歩いていたんだけどさ~。」

「とうとう取引先まで、手を出したか・・・。」

「まあね、美人なのよ~。色白さんで、細くて、儚げで。」

「ありゃ~ドストライクなのね。」

「でもさ、あまりに芸がない・・・そしてえげつない。」

「モテ男のメンツが廃るってか~。」

「どうしたらいいと思う?」

「私が何か言ったって、屁の河童、聞きやしないと

思うのよね。」

信販会社から、ねじ込まれる前に、先輩諸氏から、拳固

してもらう手はないかしら?」

「あ、うちの所長、ちょっとSより先輩だし、Sの女癖の

悪さも知ってるから、言って貰おうか?」

「うわ~お願いできる?」

「うん、言ってみるね。」

 

仙台の彼女の進言のお陰もあったのか、はたまた、昔っから

Sに対する反感があったのか、仙台の所長だけでなく、数名の

所長達が、本社の上司や、直接Sに苦言を呈してくれたよう

だった。

 

しかし、そのとばっちりが、後日、私の身に降りかかって

きたのだった。