小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

名古屋に翻弄される私。

今年で、9年目になる名古屋市での暮らし。

もう、そんなになるんだ・・・。

何だか、あっと言う間だったな~。

 

しかし、未だに、この名古屋と仲良くなれない私が、居る。

 

今日もね、「名古屋を理解しようキャンペーン」の一環として

お昼に、あんかけパスタを食べたんですよ。

まあ、冷凍のオーマイの、あんかけパスタですけどね・・・。

 

しっかし、食べてる途中で、喉に詰まってしまい、

咽てしまった。

 

咳き込んで、何度もゴホゴホやっていたら、パスタを

服に溢して、シミを作ってしまうわ、咳き込みすぎて

胸の脇が痛くなってしまうわと、異常をきたし、

思わず、途中で食べるのを断念してしまった。

 

私の体さえも、名古屋の味を拒否してしまっているのだろうか?

「食」については、結構トライする勇気は、持っている方

なんだけれど、どうにも、マッチしないんだなぁ~。

 

いやいや、決して名古屋の事をバカにしたり、けなしたりする

意図は、ないんだけれも、どうしても折り合わない「何か」が

私と、名古屋の間には、横たわっている。

 

まあ、食だけなら、昨今、お取り寄せで、何とか対応できなくも

ないのだけれど・・・。

 

問題は、むしろ「人」なのかも知れない。

 

実は、昨年から始まっていたのだが、同じ体操教室に通っている

女性で、実に不可解な、困った行動をする人が、居るのだ。

 

おそらく、彼女も、私と、そんなに年頃は変わらないアラフィフさん

だと思うのだが・・・。

 

彼女と私には、全くの共通点が見つからない。

彼女は、髪は刈り上げのように、ベリーショートで、ボーイッシュな

スタイル。 一方、私は、セミロングのストレート。

彼女は、アラフィフとは思えないほどの、スレンダーで、メリハリの

あるスタイル。 私と言えば、ゆるキャラにした方が、お似合いの

ぽってり体形なのだ。

 

何を、どう転んでも、お互い共通の話題が、見つかるとも思えず・・・。

根っからの人見知り(うっそ~ん)の私としては、軽い挨拶をする以外

彼女との接点は無かった。

 

そう、ずっと、そういう状態が続く筈だったのだ。

しかし、何故か、不思議なことに、奇妙なほど、彼女とはシンクロ

しまくって行くのだ。

私が、その体操教室へ行くのは、家事を終えてからなので、到着する

時間にも、1~1時間半ぐらいの幅がある。

なのに、8~9割の割合で、いつも彼女に出遭うのである。

まあ、生活サイクルが似てるんだろうな・・・ぐらいで終われば

良かったのだが、このシンクロが、笑えない状況へと、どんどん

陥っていったのだ。

 

私は、体操教室の帰りに、近隣のスーパーで買い物をするのだが、

ほぼ、ここでまた、彼女とも出会うことになる。

ここまでは、偶然で片付けられるのだが・・・。

 

ある日、買い物かごを抱え、レジに並ぼうとした時、彼女が

あるレジに並んでいるのに気付いた。

もうすぐ彼女の番であり、彼女の後ろには3人程ならんで

いたので、私は、比較的空いているレジを探し、そこに

並んだ。私の番が来て、店員さんが、POSシステムに商品を

通し、ピッ、ピッ、っと音が流れ始めたころ、私は、自分の

左側に、何か異様な気配を感じた。

気になって、チラッと横目で確認すると・・・・。

 

なんとそこには、もうとっくにレジを済ましていて良い筈の

そのショートカットの彼女が、並んでいたのである。

思わず、ゾゾ~~~ッと冷たいものが、私の背中を流れた。

 

「何で? 何で、わざわざ並び直したの?」

 

ここは、気付かない振りをして、お会計を済ました方が

良いのか・・・・、それとも、別のレジに並んでいた事を

知らなかった振りをして、にこやかにご挨拶した方が

いいのか・・・・。

私は、少々思い悩んだ。

しかし、無視するのも変だしな・・・・。

私は、さりげなく左側に目をやり、一礼した。

 

思えば、この一件から、彼女の異常行動が始まった気がするのだ。

それからというもの、そのスーパーの、あらゆる角で、私は

彼女と、急激な接近遭遇を果たすことになる。

これが、車同士なら、出会い頭、衝突事故って感じなのだが・・・。

 

ぼんやりと、考え事をしていて、商品の棚のコーナーを曲がる度、

ぶつかりそうな勢いで、彼女が飛び出してきた。

もう、声もでないくらい、びっくりしてしまう私。

彼女と言えば、まるで、それを予測出来たかのように、何気なく

「あ~ごめんなさい~。」と言いながら、風のように足早に

去っていく。

 

そんなことが続く内、今度は、同じ時間帯に来て、偶然ね!

と言えないぐらいの、気味の悪いシンクロが待ち構えていた。

私が、体操教室のドアを開けて、「こんにちは~」と挨拶し

靴を脱いで、ロッカーに入れるか、入れないかのタイミングで

彼女が、教室に入ってくるようになったのだ。

そんなことが、あまりに続く様になり、私は、わざと行く時間帯を

ずらし始めたのだが、どんなにずらしても、スナイパーのように

彼女は、私を追って入ってくるのだ。

 

どこか柱の影が、物陰に隠れて、私が来るのを待ち伏せでもしている

んだろうか・・・と思う程だった。

しかし、ある日、私は、ついに、その秘密を知ってしまった。

 

その日、珍しく、教室に彼女の姿を見なかった私は、何だか、

ちょっと、ほっとした気持ちで、体操を終え、帰途に就こうと

ドアを開けた。

日差しがまぶしくて、日傘を差そうとした、その瞬間。

道路の向こう側から、私の方を見ている人と目が合った。

その目が合った人こそ、その彼女だったのだ。

彼女は、道路向かいの家の玄関から、ちょうど出てくる

ところだったのだ。

 

そう、体操教室と目と鼻の先。

道路を隔てた家が、彼女の家だったのだ。

私は、瞬時に理解した。

シンクロは作られたものだったことを・・・。

 

まさか、彼女の方も、玄関出た瞬間、私と目が合うとは

思わなかったのだろう。

一瞬、ギクリとした間があったのだが、私が会釈すると

彼女も、会釈を返した。

 

それから、しばらくは、彼女とのシンクロは、発生せず、

その事が、余計に、私の疑念を深めることになった。

私に、家を知られたから・・・何故か、同じ時間に、

よく出会うシンクロが、偶然でないと知られたから、

その行為ができなくなったのだろう・・・と。

 

勿論、ここで終わってくれれば、私も、思い悩む必要は

無かったのだが・・・。

 

ほとぼりが醒めたと、思われるタイミングで、また彼女の

作られたシンクロは始まってしまった。

 

「一体、何がしたいんだろう・・・。」

 

私と同じタイミングで、体操教室に来て、並んで機械での

筋トレをして、「ほら、見てみて~私って、こんなに細いのよ~。」

「それに比べて、横の人の、太くてみっともないことったら!」

なんて、他の人に誇示したい訳でもないだろうけど・・・。

 

何かしら、彼女のアンテナに引っかかるものが、私にあったとして

だったら、普通に、話しかけてくれれば、いいってだけの事である。

何故に、偶然を装って、追いかけ回す必要があると言うのだろう?

 

体操教室での彼女の態度を見ていると、ユーモアもありつつ、わりと

さっぱりとした性格の様に見受けられるのだが・・・。

何で、私には、そういう態度なんだか・・・。

 

私は、とうとう知らぬふりが出来ない様になりなくなり、極力、

彼女の存在に気づかない様に振舞った。

それに気づいたらしき彼女は、体操教室でのシンクロは、

控えめになった。

しかし、例のスーパーでのシンクロは、もはや、ドリフか

新喜劇か!と、思わず苦笑せずにはいられないほど、

更に、わざとらしい演出になってしまったのだ。

 

ごく、最近の例だと・・・。

 

お魚コーナーで、品定めして、今一つだな・・・と思った

私が、隣のお肉コーナーへと、歩みを進めようとした瞬間。

物凄い勢いで・・・突進してくる人が・・・。

そう数量限定のバーゲンに、つかみ掛からんばかりの勢いで

くるが如く、カートを飛ばしてくる人。(まさにそんなスピード)

私の視界の端っこに、スカートをはいた女性が映りこんだが、

この時は、そのスカートと、彼女が結びつかず、気付かなかった私。

 

お肉コーナーを見て、乳製品コーナーで、バターを買おうか・・・

どうしようか・・・と迷いつつ離れる瞬間に、また・・・。

ダ~~~っつと走りこんでくる人影が・・・。

そこで、初めて、私は、さっきのスカートの人が、彼女だったと

気付いたのでした。

 

もう、ぞっとするを通り越し、絶句。

私は、そっとパンコーナーに身を潜め、そこから

あまり人の来ないルートへと移動し

彼女が、ついて来ていないのを確認して、洗剤コーナーの

角を、曲がったのでした。

 

しかし、その瞬間。

 

そう、また、「私は、知りませんよ~偶然ですよ~。」を

装った彼女と、危うくぶつかりそうになってしまったのです。

 

余りの事に、ビックリし過ぎて、私は、思わず

「こんにちは!」って言ってしまいました。(苦笑)

彼女は、私の方を一別もせず、「こんにちは~」と

言いながら去って行きました。

 

ヤレヤレ、まだ、この「偶然の出会い」というヘタな

芝居は、続くんだろうか・・・・。

 

一回、本人に、聞いてみた方がいいのかね~。

 

「何か、私に、仰りたいことがありますか?」って・・・。

 

 

いや~怖くて、聞く勇気がないわ~。

 

体操教室を変えるべきか・・・・。

気に入っている教室だけに、悩む。

 

しかし、教室を変えて、そこにまた彼女が居たら・・・。

 (ゾゾ~~~~ッ)

もう、ホラーですな・・・そこまで行ったら・・・。