小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その51

そう、問題は、Sへのアプローチの方法。

 

なにせ、老練で悪知恵働く、ドンファンのSが相手なのだ。

正攻法で行ったって、撃沈するだけだ。

さりとて、浮ついた手練手管など、完全に見透かされて

しまうに違いない。

 

冷徹な策士のおばちゃん VS 老練悪徳女たらし

 

なかなかな好カードですな!

 

私は、半分祈るような乙女の如く、真摯に、誠実に、

そして半面、どこか悪女のように強かに、「企み」を

こっそり織り込みながら、手紙を綴っていった。

 

Sは、手紙に精通している。

 

人の心のひだに、上手く忍び込むことにも、精通

している。

そんな、一枚も二枚も上手なSに、私の「企み」を

隠しつつ、長い長い手紙を、最後まで読ませること

ができるのだろうか・・・・・。

 

何度も何度も、自問自答しながら、手紙を書いては

破り書いては破り・・・・。

 

(あらやだ~、人生一度っきりのラブレター書いた時より

頑張ってるじゃん、わたし。)

 

それにしても、書き出しが難しいな・・・。

 

何せ、Sと私は、バチバチの宿敵同士ではないか!

 

入り方を間違うと、一枚目で、破り捨てられる可能性も

否めないのだ。

 

で、仕方なく伝家の宝刀を抜くことに・・・。

 

 

「S所長、S所長との出会いは、まさに衝撃でした・・・。」

 

(お~~~い、ラブレター書いとんかい!)

 

はい、掴みはOK!

 

自分で、呆れて突っ込みながらも、最初の一行を書いたことで

私の肝は据わり、二十数枚に渡る、長い手紙を一気に

書き上げたのだった。