ツインのキアゲハと、黒い煙と、浅い眠り
最近、また眠りが、ちょっと浅い。
近隣は、水を打ったような静けさだというのに・・・・。
一度、眠りに落ちると、私の周りは、けたたましい音に包まれる。
昨日も、寝つきが悪く、やっと、ウトウトしたかと思ったら、
夜中だというのに、ピアノの音が・・・。
「ちょっと、お隣さん、何時だと思っているのかしら!?
常識ないにも、程があるわ!」
呆れながら、目を薄っすら開けると、騒がしい筈の外界は、
ウソみたいに、静まり返っているのだ。
「あ~夢か・・・」
そう思って、目を瞑ろうとした途端、視界の端に、黒い煙が・・・。
またですかいな・・・久しぶりやけど・・・相変わらず、
しつこいな・・・。
私は、心の中で、ムーラマントラを唱えながら、その黒い煙を、
視界から逃さないように、見つめていた。
なんとか、私の視界から逃れるように、フワフワと漂っていた煙だったが、
ムーラマントラの威力なのか・・・、はたまた安眠を妨害された、
おばちゃんの執念の賜物なのか、逃げ場がなくなり、その煙は、
凝縮され、小さな人の形となって、走り回ってもがいていた。
何だか、哀れなような、ユーモラスなような・・・・。
いやいや、いかん!
ここで、仏心を持っては、成仏させられない。
そう思った私は、ムーラマントラを心の中で、ボリュームいっぱいに
唱え始めた。
すると、私の奥底から、まるで井戸の中から響くような声で、
ムーラマントラを唱える声が聞こえた。
女性の声で、透き通った心に沁みるような声だった。
その声が、功を奏したのか、ついに、哀れな人型は、雲散霧消と化した。
バチバチ、ガタガタ、色んな音を立てていたのは、その人型だったかも
知れないな・・・。
そういえば、何週間まえだったか、目を瞑った時に、白いバックに
浮かび上がる目と、ブルーグリーンの美しすぎる目が見えたっけ。
ブルーグリーンの美しすぎる目に、思わず見とれて、凝視しそうに
なったけど、「あ・・・洗脳されるわ!」と、急に危機感を
感じて、意識をそらしたこともあったっけ・・・。
何の意図があり、そんな存在達が、出てくるのかは、相変わらず
不明だが・・・・。
昨日見かけた、ツインのキアゲハちゃんたちには、ちょっと
心癒された。
動きが速すぎて、一匹しか写真に撮れなかったけどね・・・・。