そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その⑦
Sが、本来の事務所へと戻り、私と、年長のおばさんは、
心底、ほっとしていた。
私達二人の結論としては、もう二十代のMさんが、陥落
するのは時間の問題だろう・・・と。
何せ、ご本人のMさんの方が、ご執心なのだから・・・。
いくらS氏の好みでないにせよ、何時までも、据え膳放置は
しないと、私たちは踏んでいたのだ。
酸いも甘いも噛分ける年代の、おばちゃん二人の、今後の作戦
としては、最悪Mちゃんを防波堤にして、新人の女性達に
魔の手が及ばぬように、目配りをしていくことで、淑女同盟は
再び、結ばれた。(あら、Sが居なくなった途端、正気に帰れたのね)
よく、フェロモンが・・・なんてことを世間で、いわれるけれど・・・。
それって、主に、セクシーな、お色気漂う女性に限定して使われる
言葉だとばかり、私は思っていた。
私は、男性に、そんなものがあると感じたことは無かったし、
男性の場合は、単なる比喩で、使われているに過ぎないと確信していた。
しかし、Sが居なくなると、急に、正気に戻った年長のおばさん。
そして、男性には、殊更、冷徹な私が「やれやれ」と胸を
撫でおろしているということは、やっぱり目には見えないが、
強力なフェロモンもどきが、Sから漂っていたのかも知れない。
これは、気を付けなくては・・・。
Sは、それを知ってか知らずか、女性との距離の取り方が、異様に
近いのだ。
その距離は、他人から見たら、所謂「恋人ゾーン」と思われても
仕方ない距離感で、それを、どんな女性に対しても、繰り出して
くるのだ。
なので、彼の本性を知らない人には、うっかり「私に気があるのでは?」
と勘違いさせてしまうのだ。
私は、元々、他人に接近されると、圧迫感を感じるタイプ
なので、相手に気づかれないように、そ~っと静かに、距離を
取るようにしていた。
しかし、この作戦が、Sには、全く通じない!
そ~っと離れたとしても、離れた分だけ、詰められてしまう。
Sにとっては、その距離感が普通で、それ以上離れることは
返って、不自然なのだと言わんばかりに・・・。
一度、展示会の狭いお帳場で、逃げ場が無いのに、詰められた
事があり、思わず、私は、嫌な顔をしてしまった。
しかし、向こうは意に介せず、売り上げの途中経過報告を
私に確認して、計算機を叩いていた。
まさに、そんな時に、ベンダーさんの一人である女性が
暖簾を挙げて入って来たのだ!
勿論、その女性は、一瞬、表情が強張り、見てはいけないものを
見てしまったかのように、固まった。
そして、「失礼しました・・・。」と言って、暖簾を下げようと
していた。
「あ~大丈夫ですよ~。」
「売り上げの報告だけなので、どうぞ・・・。
何かご用事があったのでしょう?」
そう私は、彼女に対して声を掛けたのだが、彼女は、
「いえ、今、お取込み中みたいなので・・・あとで伺います。」
と言って去っていってしまったのだ。
「オ~マィ~ガ~~~~~!」
絶対勘違いされている~~~~~~~。
そのベンダーさんも、恐らくSのパーソナルエリア攻撃を受けて
「気があるのかも」♪って勘違いしていた一人かも知れない。
こりゃ、厄介だわ・・・。
私は、フェロモン対策として、実に滑稽で、到底効果があるとは
思えない対策を取ることにした。
しかし、これが、以外にも、思わぬ効果が有ることに、後々
気付くことになる。
当時は気づかなかったが、この方法も、実は、ツインソウル
ならではの間柄だからこそ、出来た方法なのかもしれなかった。
(今日のまとめ)
パーソナルスペースの分類
密接距離ごく親しい人に許される空間。
- 近接相(0〜15cm)
- 抱きしめられる距離。
- 遠方相(15〜45cm)
- 頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離。
☝
若かりし頃のマイケルジェイフォックス
ファッションといい、雰囲気がSそっくりです。
で、こんな風な感じ。
☟
Gazebo - I Like Chopin - Audio Remastered ( Official Video )