小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊷

越すに越されぬ、田原坂♪ 

(古いな、誰も知らんやろ~)

 

越すに、越されぬ、年度末~。

 

そんな田原坂ならぬ、会計の年度末またぎを、

死に物狂いで何とか越えて、ヤレヤレ・・・と

ほっとしたい私だったが・・・。

 

4月の新年度は、子どもの学校の役員決めが待っている。

仕事をしているので、出来れば、ご免被りたい役員だが

小学校卒業までに、2度ぐらいは、お役を受け持つのが

暗黙の了解となっており、小1の学級委員に続き、今年

専門役員を受け持つのが、最良のタイミングだったのだ。

 

なにせ小6で、役員を仰せつかると、卒業学年となり、

何かと準備の為に、出事が多いらしいのだ。

その為にも、5年生となる新クラスで、最初に行われる

役員決めの父母会には、必ず、出席する必要があった。

 

私は、その父母会に出席するために、あらかじめ有給届けを

記入し、申請するために、Sの机上へと、書類を提出した。

次の日、その申請書類が、私の机上へ戻ってきていたので、

有給届けの綴りに、綴じようとしたのだが、よく見ると

Sの確認欄に、印鑑が押してなかった。

ああ、押し忘れたんだな・・・と思って、再度提出。

 

しかし、また無印のまま、机に戻された。

解せない私は、Sの後輩であるY所長に、その事を相談した。

 

「これって、休みを認めないってこと

なんでしょうか?」

 

「う~ん、そういう積りかもね・・・。」

 

「困ります! 以前から、申し上げていたように、

今年度は、子どもの学校の役員を、引き受けなければ

ならないんです。

その事もあって、早く、本来の体制である事務二人体制を

お願いしているのですが、求人を打たれる気配もありません。

早くから、きちんと役員のお話もしていたのに、いざ、

休暇届けを出したら、この仕打ち!」

 

「酷すぎません? 年度末またぎで、ただでさえ、

ありえない仕事量をこなす羽目になっているのに、

必要な休みすら頂けないのなら、私、辞職も、

やむなしだと思っています。」

 

「いや、ご尤もだよ。 そのまま、そっと休暇届出して、

休んでいいから。

何か、S所長が言ってきたら、俺が対処するよ。」

 

Y所長が、そう言ってくれたので、私は、3度目の休暇届を、Sの

机上に、そっと置き、そのまま翌日、休んだのだった。

 

休んだことについて、Sから、何か言われた訳ではなかったが、

正直、Sが、何を考えているのか、解りかねた。

 

「個人の事情なんか知るか~、ツベコベ言わず働け~」なのか、

 

「君の居ない一日を過ごすなんて、耐えられない!」ブッ;`;:゙;`(;゚;ж;゚; )

 なのか。

  (自分で書いてて、笑えるわ~。爆)

 

まあ、どちらにしても、前途多難だった。

最低でも、これから月一の、専門委員会に出席しなければ

ならないのだ。

委員会の話し合いでは、役割を分担するために

決めごとが多い。

 

なるべく、仕事を持っている人の中でも、出来るだけ

時間的に融通の利く人を、メインの役職に

つけなければならなかった。

その為に、仕事の時間帯を、訊ねられるのだが・・・。

 「朝、8時に出て、通常は、夜7時に帰宅ですが

忙しい場合は、夜9時まで仕事があります。」と

答えたところ、皆、目を白黒して驚いていた。

 

一応パートって待遇なんだけどね~。♪

 

パートとは言えない、ロングな勤務時間に、さすがに

重大な役職をと、お願いされることは無かったが、

それでも、企画の多い専門委員だったため、意外に

学校へ行く機会は多くなったのだった。

 

私が、毎日のように、事務の二人体制をお願いした

ためか、やっとSも、重い腰を上げ、求人を打ったのだが、

何せ、時給が高いわけでもないので、さほど人も、

集まらない。

 

せっかく集まってくれた人も、Sが、難癖をつけ、

なかなか採用に至らなかった。

 

「ピンとくる人が、居ないんだよね~。」だと。

 

「あ~結局、ピンとくるのは、美人だけじゃないの?

そんな綺麗どころ来る訳ないじゃないですか~。

いい年のおばちゃんさえ、なかなか来てくれないし。」

 

そうボヤく私に、Y所長は、

「そうだな~、もちろん、それだけじゃないだろうけど

もしも、S所長好みの美人が来たら、一発で決まるのは

確実だな~。」

と苦笑い。

 

求ム

 

容姿端麗

年齢30才まで

上司をホメ殺ししつつ、手のひらで転がせる

おやじ殺しのスーパーテクニシャン!

 

(イメージは、こじるり・・・だな。)

 

まあ、無理なのはわかってたけど、そんな求人を

打ちたい衝動に駆られる私だった。

 

仕事で、話しをする以外、もう、なるべく目線すら

合わせたくない私は、なるべくSを避けるように

静かに、仕事をしていた。

 

今回の、年度末越えの、恐ろしい坂を何とか

登りきった私には、他支店事務と、本社総務部

経理課との有難い繋がりが、芽生えていた。

 

何か、困ったことがあれば、他支店の事務の

女性に、電話を掛け、相談に乗ってもらったり

助けてもらうことが出来たのだった。

お陰で、かなりな事情通にもなってしまった。

 

以前、Sに退職させられた、営業レディの一人から

どうしても、納得できないので、何とか、本社の

お偉いさんに、事情を聞いて欲しいと、懇願された

ので、無理だとは思ったのだが、総務部の女子に

相談してみたのだ。

 

すると、直接、逢うことは難しいので、手紙に事情を

書いて貰い、社内便で届けてくれる算段を

とってくれたのだった。これには、私も、

びっくりしたが、彼女達の機転のお陰で、

元営業レディさんは、お偉いさんからの

直接の手紙を貰うことができ、矛先を収めることと

なったのだった。

 

そう、女性は、ただ、聞いてほしい・・・ってこと

多いのよね。

聞いてもらえ、同調してもらえれば、大概の事は

満足できる生き物なのよね。

 

自分の好みの女性以外、バッサリ切っていくSに

もう少し、この「お偉いさん」程の度量があればね~

女性に、二度も、刺されることも無かったろうに。

 (出た!コアな情報)

 

このお偉いさんは、Sに負けず劣らず女性好きで

「艶福家」として名を轟かせていらっしゃった

らしいのだが、何故か、別れた女性からも、慕われる

という「徳」の持ち主だったらしい。

 

というのも、別れた女性には、きちんと生活に困らない

だけの「生活費」を、しっかりと渡されていたそうな。

きちんと、精神面も、経済面もケアされていた訳ですね。

そういうバックグラウンドがあるから、きっと、暖かい

お手紙を、元営業レディさんに送られ、彼女も、納得

したのでしょう。

 

身近に、いいお手本があるのに、ほんに残念な・・・。