小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊲

そもそも、S所長と、Y所長のA班B班に分かれているのだから

本来なら、それぞれの班に、一名事務担当が在籍するのが

本来の形だったのだ。

 

一般的な経理事務と電話応対、手元金の管理、商品在庫の

管理、オーダー品の納品と管理、全員の勤怠管理と、

交通費精算、新人さんが入ってからは、それぞれ入れ替わり

立ち替わり、些細な事でも、相談してくるので、その対応など。

正直、手一杯になっていた。

 

それでも、展示会が、月一回だからこそ、何とかやって

来れたのだ。

このままの体制で、それぞれの班が、別々に展示会を催す

事になったら、物理的に、無理な事が増えてしまう。

 

一展示会毎に、会計処理をしなければならないシステムだった為

2班あれば、それぞれに、会計を締めなければならない。

それぞれの展示会開催日が、10~15日ズレて開催されれば可能かも

しれないが、万が一、数日を置かず開催されたり、最悪の場合

日付が重なったりしたら・・・・。

 

そんなことを考えると、居ても立ってもいられなくなり、私は、

Sに真意を問うた。

 

「所長、2班に分かれて、それぞれが展示会を開催するという

事ですが、万が一、開催日が重なった場合、事務は、私ひとり

しか居ませんけど、どうされるお積りでしょうか?」

 

「ああ・・・そうだな。

ま、でも、何とかなるだろ・・・・。一日おきに

会場へ行くという手もあるし、午前午後に分けることも

できるしな・・・。」

 

「そんな事したら、絶対に、収支が合いません。

この間だって、私が、ほんのちょっと席を外した時に、

Mさんが、勝手に金庫にお金を投入したことで、〆の時に

計算が合わなかったじゃないですか!

ほんの数分で、そうなんですよ。午前午後でも、相当

無理があるし、一日おきなんて、とんでもない事です。」

 

「いや~何とかなるって~。そもそも、

事務処理とか、大した事じゃないしさ~。」

 

(何ですと!私が事務処理せんかったら

交通費の清算もできしまへんで~。  ( ゚皿゚)キーッ!!

ストライキしたろか~~~~!)

 

そもそも、Sは、生活費の不足を、交通費精算で賄って

いた為、仮払、前払いが、異様に多かったのだ。

そのせいで、毎月決められた手許金で間に合わなくなり、

月に一度締めればよい決まりだったが、二度三度締めて

本社より、補足してもらうことも、しばしばだったのだ。

 

もちろん、事情は聞かれる訳だ。

 

本来なら、許される筈はないのだが、何故か、Sの場合は

部長の許可が出るのだ。

 

一体何様なんでしょか・・・Sって。

ひょっとして、将軍様のご落胤か!? (爆)

 

「確かに、営業あっての売り上げですし、営業が一番

と思われているのは、解りますけど、事務を蔑ろに

されるのは、どうかと思います。

一応、一部上場の会社なんですから、きちんとした

お金の管理はしていくべきかと・・・。」

 

「大丈夫だよ。若い子達に、しっかりと教えておくからさ。」

 

Sでは、話にならないので、Y所長に相談してみた。

 

「今まで、二班体制で、別々に会計していくのに、事務一人

体制で運営されている支店ってあるんですか?」

「う~ん、普通は2人だね。ただ、出来たばかりの支店だと

過去に、3か月事務を置かずに営業してた支店が、あったかな。」

 

  (絶句  ( ゚Д゚) )

 

「随分、いい加減ですよね~。営業が偉くて、事務なんて!って

体質の会社なんですかね?」

「いや、むしろ、うちの会社は、本社は事務方が威張っている

んだけどね~。 支店は、やっぱり、営業が強いかな・・・。」

 

「私、来年度は、PTAの役員をやらなければならないんです。

今でも、なかなか休めないのに、二支店分を一人でやるなんて

とても無理です。もう一人、事務の方を増やして頂けませんか?」

 

「もちろん、完全な2班体制になったら、やっぱり一人では

難しいので、採用の準備はしていくよ。」

 

「じゃ、よろしくお願い致します。」

 

しかし、なかなか採用に動く気配は無かった。

 

そんな折、私への意趣返しなのか、Sがとんでもない

禁則技を繰り出してきたのだ。

 

全国の、真面目な経理事務処理担当が、聞いたら・・・。

いや、ちゃんとした会社の総務部が聞いたら、驚天動地な

その出来事に、大人しい(?)私も、震えが止まらぬほど

怒り狂うことになるのだった。