そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊲
そもそも、S所長と、Y所長のA班B班に分かれているのだから
本来なら、それぞれの班に、一名事務担当が在籍するのが
本来の形だったのだ。
一般的な経理事務と電話応対、手元金の管理、商品在庫の
管理、オーダー品の納品と管理、全員の勤怠管理と、
交通費精算、新人さんが入ってからは、それぞれ入れ替わり
立ち替わり、些細な事でも、相談してくるので、その対応など。
正直、手一杯になっていた。
それでも、展示会が、月一回だからこそ、何とかやって
来れたのだ。
このままの体制で、それぞれの班が、別々に展示会を催す
事になったら、物理的に、無理な事が増えてしまう。
一展示会毎に、会計処理をしなければならないシステムだった為
2班あれば、それぞれに、会計を締めなければならない。
それぞれの展示会開催日が、10~15日ズレて開催されれば可能かも
しれないが、万が一、数日を置かず開催されたり、最悪の場合
日付が重なったりしたら・・・・。
そんなことを考えると、居ても立ってもいられなくなり、私は、
Sに真意を問うた。
「所長、2班に分かれて、それぞれが展示会を開催するという
事ですが、万が一、開催日が重なった場合、事務は、私ひとり
しか居ませんけど、どうされるお積りでしょうか?」
「ああ・・・そうだな。
ま、でも、何とかなるだろ・・・・。一日おきに
会場へ行くという手もあるし、午前午後に分けることも
できるしな・・・。」
「そんな事したら、絶対に、収支が合いません。
この間だって、私が、ほんのちょっと席を外した時に、
Mさんが、勝手に金庫にお金を投入したことで、〆の時に
計算が合わなかったじゃないですか!
ほんの数分で、そうなんですよ。午前午後でも、相当
無理があるし、一日おきなんて、とんでもない事です。」
「いや~何とかなるって~。そもそも、
事務処理とか、大した事じゃないしさ~。」
(何ですと!私が事務処理せんかったら
交通費の清算もできしまへんで~。 ( ゚皿゚)キーッ!!
ストライキしたろか~~~~!)
そもそも、Sは、生活費の不足を、交通費精算で賄って
いた為、仮払、前払いが、異様に多かったのだ。
そのせいで、毎月決められた手許金で間に合わなくなり、
月に一度締めればよい決まりだったが、二度三度締めて
本社より、補足してもらうことも、しばしばだったのだ。
もちろん、事情は聞かれる訳だ。
本来なら、許される筈はないのだが、何故か、Sの場合は
部長の許可が出るのだ。
一体何様なんでしょか・・・Sって。
「確かに、営業あっての売り上げですし、営業が一番
と思われているのは、解りますけど、事務を蔑ろに
されるのは、どうかと思います。
一応、一部上場の会社なんですから、きちんとした
お金の管理はしていくべきかと・・・。」
「大丈夫だよ。若い子達に、しっかりと教えておくからさ。」
Sでは、話にならないので、Y所長に相談してみた。
「今まで、二班体制で、別々に会計していくのに、事務一人
体制で運営されている支店ってあるんですか?」
「う~ん、普通は2人だね。ただ、出来たばかりの支店だと
過去に、3か月事務を置かずに営業してた支店が、あったかな。」
(絶句 ( ゚Д゚) )
「随分、いい加減ですよね~。営業が偉くて、事務なんて!って
体質の会社なんですかね?」
「いや、むしろ、うちの会社は、本社は事務方が威張っている
んだけどね~。 支店は、やっぱり、営業が強いかな・・・。」
「私、来年度は、PTAの役員をやらなければならないんです。
今でも、なかなか休めないのに、二支店分を一人でやるなんて
とても無理です。もう一人、事務の方を増やして頂けませんか?」
「もちろん、完全な2班体制になったら、やっぱり一人では
難しいので、採用の準備はしていくよ。」
「じゃ、よろしくお願い致します。」
しかし、なかなか採用に動く気配は無かった。
そんな折、私への意趣返しなのか、Sがとんでもない
禁則技を繰り出してきたのだ。
全国の、真面目な経理事務処理担当が、聞いたら・・・。
いや、ちゃんとした会社の総務部が聞いたら、驚天動地な
その出来事に、大人しい(?)私も、震えが止まらぬほど
怒り狂うことになるのだった。