小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊵

Sの傍若無人な振る舞いは、女性関係のみならず、神聖な(!?)

会計ルールまでも、踏みにじるというレベルにまで達し、

そんなSを、本社のお歴々すら、止められない。

この事態に、流石のポーカーフェイスな、

鉄仮面オバちゃんの私も、怒りを抑える事は、

出来なかった。

 

それでも、私がやらねば、誰かやる!とばかりに、怒りを

パワーに変えて、シャカリキに、事務処理に邁進した。

土日の休日出勤は、当たり前となり、体も、心も

疲れ切っていった。

家に帰れば、家事だって待っているのだ。

夕食を作り、後片づけを済ませて、リビングのソファーに

座ると、もう、いつの間にか眠ってしまい、息子に

起こされることも、度々あった。

その為か、その頃の、記憶は、かなり曖昧だ。

 

なのに、今でも、この頃の夢を時々見るのだ。

 

「あれ、私、会計締めて本社に送ったっけ・・・。」

夢の中で、不安になる私。(T_T)

 

(トラウマかよ!)

 

その頃の私は、自分のメンタルを損なわない為に、日ごろ

聞きもしない音楽を流し、それにギリギリ支えられながら、

休日の事務処理を淡々と行っていた。

 

途中で、CDの音楽が切れようものなら、ものの一分も待てず

直ぐに、また同じ音楽を再生する。

その姿は、まるで、イライラしたティーンエジャーそのもの

のようだった。

それでも、メンタル保ってられたのは、「エンヤ」さまの

癒しの音楽のお陰でしょうか・・・・。

 

営業担当者は、催事が終わってしまえば、後は天国。

お祭り騒ぎが終わって、打ち上げすれば、また新たな

気持ちで、スタートできるのだが・・・・。

 

前代未聞の、掟破り、「年度末またぎ~~~」という

パンドラの箱を開けてしまったSのお陰で、私には、

ありとあらゆる困難が、降りかかってきた。

 

パンドラの箱は、確か最後に、「希望」という素晴らしい

プレゼントが、出てきたはずなのだが・・・。

私には、「重度の肩こり」という、有難くない贈り物

だけが、残されていたようだった。

 

年度末の処理もしつつ、毎日の仕事も二班分、こなさな

ければならない。

 

催事が終わり、のんびりと談笑する新人さんと、Sを

横目に見ながら、私は、只管、仕事に打ち込んだ。

 

「いや、何、ちょっと、シャカリキになりすぎ

なんじゃない?そんなに焦らなくて大丈夫だって

ちょっと休憩したら?」

 

薄ら笑いを浮かべながら、そんな他人事のような、

無責任な言葉を投げかけるSに、

私の怒りは、ついに爆発した!

 

「やってらんない!」

 

私は、立ち上がると同時に、バンと机を両手で叩いた。

 

一瞬、新人さんも、Sも、言葉を失った。

 

私は、頭を冷やすために、立ち上がり、ウォーターサーバー

ある方向へと、歩き出した。

何か言いたかったのか、或いは、偶然なのかも知れないが、

丁度、Sも立ち上がり、お互い、向かい合う形となった。

 

否応なく、目が合う事態に・・・。

二人が、相対し、目線が合った瞬間、そこに

不思議な磁場が開いたように、感じた。

 

 

Sと目が合った瞬間、私の視界は、真っ白になった。

体が、金縛りにあったように、動かず、立ち尽くす私。

 

そして、次の瞬間、私は、別の場所に居た。

 

いや、正確には、別の場所に居る映像を、

見せられたのだ。

 

そこは、どこか、空気の澄み切った高原のような

場所に立つ、レストランだった。

 

木の壁や床と、可愛いテーブル。以外に広い場所だ。

窓から見える景色は、林のようで、緑が目に眩しい。

私は、その景色を堪能しながら、テーブルに付こうと

していた。

 

すると、入り口の方から、誰かが入って来るのに気づいた。

 

それこそ、まさに、S本人だったのだ。

 

すると、私は、懐かしい人に会ったかのように、手を振り

お互いに歩み寄った。

自然に、テーブルに座り、談笑する二人。

 

なんて、平和な光景だろうか・・・・。

 

 

「え・・・あれ、今、私は、本当はどこにいるの?」

 

そう、我に返った瞬間、私は現実に引き戻され、

ガクッと、からだに衝撃が走った。

 

一体私は、何を見せられていたのだろう・・・・。

 

これが、世に言う、

「白日夢」というやつだろうか・・・・。

 

一体何秒、こんな状態でいたのだろう・・・。

 

ふとSの方を見ると、顔面蒼白で、同じように

立ち尽くしていた。

 

まさか・・・同時に、同じ「白日夢」でも見たのか!?

 

Sは、プルプルッと首を振り、私たちは、お互いを

見ないまま、すれ違った。

 

この状況は、周りから、どう見えていたのだろう・・・。

微かに、女子たちの、囁き声が聞こえた。

 

「ねえねえ、今の見た?目線絡んでいたよね~。」

 

まじか・・・・・。

 

 

しかし、誰が信じてくれようか・・・。

 

私たち、どうやら、

「今、一瞬、ここに居なかったようです。」

       ・・・なんて事。

「どこか別の場所へ、飛んで行ってました。」

     ・・・なんて事。

 

当時の私にも、この体験は、理解できなかった。

 

なんで、こんな体験をしたのか・・・。

なんで、こんな事が、起こるのか・・・・なんて。

 

この時から、既に、十数年。

様々な、不思議な体験を重ねた私は、確信している。

 

そう、Sと私は、ツインソウルなのだと。

現実が、どんなに反発し合う間柄だろうと、相容れぬ

思考・思想・生き方だろうと、「魂」は共鳴してしまう

ということを・・・。

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊴

この会社に、パートの事務として入り、初めての年度末を

来月に迎えることとなった。

 

以前の会社で、苦い思いをしていた私は、今の会社の

ちょっとばかり、他社とは違う、オリジナルな会計方法に

不安を感じていた。

その為に、予め、経理部に確認しておこうと考えていた。

 

総務経理部で、仲良くなった女の子に、年度末月末に〆た

事務書類を、いつまでに発送すればいいのか・・・とか、

いつもの月末とは、何か違う処理をする書類などは

無いのかとか・・・、一つ一つ確認をしていたのだ。

 

「そんなに神経質にならなくても、大丈夫ですよ。

ただ、年度が違うものの書類が、混在しないように気を

付けてくれれば、大丈夫です。」

「年度をまたぐってことが、できませんので、それだけは

注意してくださいね!」

 

特に、気を付けるというほどでもない、ごく当たり前の事を

言われた私は、ほっとしていた。

これなら、2班分締めたとしても、普段より、少し多めの

残業で済みそうだった。

 

私は、仕事の段取りをつけておきたくて、Sに尋ねた。

 

「もし、決定しているようでしたら、来月の、それぞれのチームの、

催事の日程を教えて頂きたいんですが・・・。」

 

「ん・・・来月の催事の日程?」

「はい、日程です。」

「まだ、最終決定じゃないんだけどさ~、なかなかいい会場が

取れなくてさ・・・。」

「え~っと、Bチームが、3月19・20・21日で●●ホールだろ・・・

そして、僕のAチームが、3月30・31・4月1日で、▲▲ホールって

とこかな~。」

 

「え・・・Aチームは、4月1日を、日程に入れるってことですか?」

「ああ、そうだよ、AとBの催事に、10日ぐらい空きがないと

厳しいだろ?」

 

「確かに、普段は、そうなのですが、来月ばかりは、年度末で

年度末をまたぐ催事の日程は、組むことができません。」

 

「はぁ~何でだよ~。別に関係ないじゃん!」

「いえ、そういう訳には、行かないんです。」

「一催事一会計で、〆る訳ですが、3月31日を持って、年度末が

来るわけですから、4月1日は、もう、来年度という括りになります。

一会計の中に、別年度のものが、混在するわけには、行かないんです。

 

「いや、そんなに堅い事言わなくてもさ~。」

「堅いとか、柔らかいとかの、問題じゃありません!」

 

「一部上場会社である、親会社も、そのように処理する訳です。

連結決算をする、子会社のうちの会社だけ、例外に対応するなんて

許されませんよ!!」

 

「そっか・・・じゃ、一応、一日前倒しの日程にするか、

最悪2日の開催にするか、調整をしてみるわ。」

 

「はい、ぐれぐれも、よろしくお願い致します。」

 

しかし、正式に発表されたAチームの日程は、最初のままだった。

それどころか、年度末に掛かっていなかったBチームまで

良いホールが、見つかったからと言って、年度末を越える

日にち設定にされてしまっていた。

 

「所長、何考えているんですか!? あれほど、お願いした

じゃありませんか。年度末を越えての、催事日程は、組めない

って!」

「いや、そうは言うけどさ、どこのホールも開いてないし、

2日間の日程じゃ、売り上げが、目標に届かないんだよ!」

「やるしかないんだ・・・何とかなるさ・・・。」

 

「何とか成るですって!何ともなりません。」

「年度末の会計ルールっていうのは、株主総会をつつがなく

乗り切る為にも、絶対に動かせない、厳正なものなんです。」

 

「ごねれば何とななるって、ものじゃないんです。

甘く見ないで下さいよ!

毎月の会計のように、融通が利くものじゃないんですから!」 

 

日ごろ、大人しい私の、あまりの熱弁に、ちょっと驚いた

様子のSだったが・・・。

 

「会計も何も、売り上げが上がらなければ、会社として

成り立たないんだよ!日程は、動かせないから・・・。」

と、さっさと席を立ってしまったのだった。

 

オイオイ、Sよ!

お釈迦さまは許しても、経理閻魔大王さまは、見逃しては

くれないんだぞ~~~~。  (。-`ω-)

ゴリ押しも、いい加減にしないと、バチ当たるぞ~~~。

 

私は、仕方なく、総務経理部に電話し、詳細を説明した。

 

「え~~あれほど、いったじゃないですか!

年度末違うのは、ダメって!」

 

「ええ、私も、さっき、S所長の前で、啖呵切りましたけど、

馬の耳に念仏です!」

「私の言うことなんて、鼻にもかけないんで、ここは一発

経理部長なり、統括のK部長なりから、ガツンと、言ってやって

下さい。」

 

「もう、全く、ただでさえ忙しいのに、S所長なんてこと

してくれるんですか!」

「分かりました。とりあえず、経理部長から、電話を入れて

頂くよう、お願いしてみます。」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

しかし、経理部長からの電話も、統括のK部長の電話も、功を

奏さなかった。

 

いや、何なん!?

 

サラリーマン社会で、上司の言うこと聞かないとか!

会計ルールっていう、公のルールも無視するとか!

 

Sよ!お前、何様じゃ~~~~~。

 

っていうか、なんで、一地方の所長如きを、説得できんのだ、

本社よ!

 

「じゃ、おまえは、首だ!」ってなぜ、言えない!

さすがに、そう言われれば、Sだって従わざるを得ないだろうに。

 

Sの不気味な特別扱いの所為で、本社の経理チームは、上を下への

大騒ぎとなっていた。

 

「何で、こんなことになっちゃったんです?

どうして止められなかったの!?」

 

そんなお門違いな、苦情が、私に寄せられた。

 

「いや、パートのおばちゃんに、何かできることあります?」

経理部長の言うことも、統括部長の言うことも利かない奴

なんですよ?」

「まあ、私が、社長だったら、即刻、首切ってますけどね・・・。

残念ながら、社長じゃないもんで・・・。」

 

もう、こうなったら、グタグタ言ってても時間の無駄なのだ。

腹をくくってやるしかないのだが、いくら具体的な

事務処理内容を聞いても、何せ前例がないのだから、

彼らも、的確な答えが出せないのだ。

 

「私、二班分締めないと行けないんです。」

「今から、準備しておかないと、年度末の締め切りに間に合い

ませんから! とにかく、具体策を考えてください。」

 

すったもんだの挙句、「一催事一会計」のルールの方を

反故にして、一催事の中の、年度末をはみ出す部分のみ

翌年度の計上をすることに、落ち着いた。

しかし、付随する問題が、多すぎて、毎回、経理部と

打ち合わせをすることになってしまった。

 

催事に来られる、お客様からの、預かり金を計上するのに

年度内にお預かりしていても、清算が年度末を越えた日に

する場合は、どちらに入れるのかとか・・・。

 

しかし、売り上げは、それで良くても、微妙な問題は

後から、後から湧いてくるのだった。

 

そもそも、開催日程が、被り、しかも年度末を越え、

2班の会計をそれぞれ二つに分け、4会計で〆ることに

なるのだ。

一体、私ひとりの体で、どうやってこなせと言うのだろう?

 

夫は単身赴任な為、子どもを一人待たせて、延々残業をする

訳にはいかないのだ。

この時ほど、私は、この会社へ入ってしまったことを

後悔したことはなかった。

 

Sよ!

来世は、知らんぞ!

傍若無人に振舞うのは、せめて女性関係だけにしておいてくれ。

神聖な、会計ルールまで、犯すなら、きっと来世は、一円に泣く

人生が待っておるぞ~~~~。(by 算盤の神)

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊳

あっという間に、年末という断末魔~に、おしりを突かれて

しまう季節となってしまいました。

暫くぶりの更新ですが、果たして、今年も、どこまで

書けるか・・・・甚だ疑問ですが・・・。

 

 

経理担当が、一番忙しい時期。

それは、年度末である。

日々も、それなりに仕事に追われるが、やはり、年度末というのは

経理を預かる者にとっては、別格の「忙しさ」と「緊張感」に

苛まれる時期なのだ。

 

独身時代に、第三セクターという、公のお金が投入されている

特殊な会社の、経理事務を担当した時には、その特殊性ゆえに

一般的な会社とは、また違う、異常なまでの厳しいチェックが

待ち構えていたのだった。

 

資金を投資している地方銀行のトップである、頭取直々の

重箱の隅を突くような、細かいチェックとか・・・。

某省の、お役所書類、てんこ盛り提出とか・・・。

所謂「マルサ」的な、税務署のチェックとか・・・。

 

「いや、これ、一人でやるんかい!」と思える、殺人的な

仕事の量に、思わず、慌てて医療保険に入ったぐらいである。

(倒れて、そのまま過労で死ぬならまだしも、病気になったら

敵わないな・・・的発想。)

 

まあ、そんなギリギリのガチガチの経理体質だった私だから

ある種、緩すぎるというか、原則あるのか、無いのか解らない

この会社の経理処理というものに、普段から、疑問は多々あった

のだが・・・。

 

しかし、親会社は、なんといっても、一部上場会社。

 

「腐っても、鯛!」な筈だから、よもや、そんな一部上場の会社の

厳正なる年度末会計ルールが、Sの個人的な思惑で、吹っ飛んで

しまうだなんてことは、誰にも、予測ができなかったのだ。

 

「ああSよ、そんなにお力があるのなら~、いっそ総理大臣でも

目指してみられたら如何でしょう。」(-。-)y-゜゜゜

 

隣国の、毎度のゴール動かし問題も、パワハラお得意の大国ルールも

さぞがし、華麗にスルーできるんじゃございませんこと!?

 

そう言えば、明治政府の、お偉いさま方も、随分と、女性遍歴の

激しい方が、多かったような・・・。

そういう意味でもね~、ピッタリかと・・・。

 

「あ・・・いかん、真っ先に、他国のハニートラップに掛かって

しまうやないかい!」(爆)

 

おっと、振りが長くなってしまいました。

会計問題と言えば、除夜の鐘の鳴る前に、「ゴーン」と大きな

金(鐘)が、響き渡ってしまいましたが・・・。

日産、どうなって行くのでしょう・・・。

 

やっぱり、色欲も、金欲も、ほどほどにしておかないと

身を滅ぼす「因」となってしまうのでしょうね・・・。

 

久々に書いたので、振りだけで長文になってしまいましたよ。

 

続きは、また。

 

 

 

 

 

ちょっとリセット  ネガティブな事を書いていると疲れるのよね~。

youtu.be

 

淡々と、有った事を書いていっても、やっぱり疲れる

ネガティブな話題。

 

昨日は、何やら、苦手な「ながもの系」にしつこく攻撃されました~。

ハァ・・・しんど。

 

げに、一番怖いのは、「人の思い(重い)」でしょうか・・・・。

 

たまたま、見ていたブログのリンクで、こちらの音楽を聴きました。

 

お疲れの方に、是非。

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊲

そもそも、S所長と、Y所長のA班B班に分かれているのだから

本来なら、それぞれの班に、一名事務担当が在籍するのが

本来の形だったのだ。

 

一般的な経理事務と電話応対、手元金の管理、商品在庫の

管理、オーダー品の納品と管理、全員の勤怠管理と、

交通費精算、新人さんが入ってからは、それぞれ入れ替わり

立ち替わり、些細な事でも、相談してくるので、その対応など。

正直、手一杯になっていた。

 

それでも、展示会が、月一回だからこそ、何とかやって

来れたのだ。

このままの体制で、それぞれの班が、別々に展示会を催す

事になったら、物理的に、無理な事が増えてしまう。

 

一展示会毎に、会計処理をしなければならないシステムだった為

2班あれば、それぞれに、会計を締めなければならない。

それぞれの展示会開催日が、10~15日ズレて開催されれば可能かも

しれないが、万が一、数日を置かず開催されたり、最悪の場合

日付が重なったりしたら・・・・。

 

そんなことを考えると、居ても立ってもいられなくなり、私は、

Sに真意を問うた。

 

「所長、2班に分かれて、それぞれが展示会を開催するという

事ですが、万が一、開催日が重なった場合、事務は、私ひとり

しか居ませんけど、どうされるお積りでしょうか?」

 

「ああ・・・そうだな。

ま、でも、何とかなるだろ・・・・。一日おきに

会場へ行くという手もあるし、午前午後に分けることも

できるしな・・・。」

 

「そんな事したら、絶対に、収支が合いません。

この間だって、私が、ほんのちょっと席を外した時に、

Mさんが、勝手に金庫にお金を投入したことで、〆の時に

計算が合わなかったじゃないですか!

ほんの数分で、そうなんですよ。午前午後でも、相当

無理があるし、一日おきなんて、とんでもない事です。」

 

「いや~何とかなるって~。そもそも、

事務処理とか、大した事じゃないしさ~。」

 

(何ですと!私が事務処理せんかったら

交通費の清算もできしまへんで~。  ( ゚皿゚)キーッ!!

ストライキしたろか~~~~!)

 

そもそも、Sは、生活費の不足を、交通費精算で賄って

いた為、仮払、前払いが、異様に多かったのだ。

そのせいで、毎月決められた手許金で間に合わなくなり、

月に一度締めればよい決まりだったが、二度三度締めて

本社より、補足してもらうことも、しばしばだったのだ。

 

もちろん、事情は聞かれる訳だ。

 

本来なら、許される筈はないのだが、何故か、Sの場合は

部長の許可が出るのだ。

 

一体何様なんでしょか・・・Sって。

ひょっとして、将軍様のご落胤か!? (爆)

 

「確かに、営業あっての売り上げですし、営業が一番

と思われているのは、解りますけど、事務を蔑ろに

されるのは、どうかと思います。

一応、一部上場の会社なんですから、きちんとした

お金の管理はしていくべきかと・・・。」

 

「大丈夫だよ。若い子達に、しっかりと教えておくからさ。」

 

Sでは、話にならないので、Y所長に相談してみた。

 

「今まで、二班体制で、別々に会計していくのに、事務一人

体制で運営されている支店ってあるんですか?」

「う~ん、普通は2人だね。ただ、出来たばかりの支店だと

過去に、3か月事務を置かずに営業してた支店が、あったかな。」

 

  (絶句  ( ゚Д゚) )

 

「随分、いい加減ですよね~。営業が偉くて、事務なんて!って

体質の会社なんですかね?」

「いや、むしろ、うちの会社は、本社は事務方が威張っている

んだけどね~。 支店は、やっぱり、営業が強いかな・・・。」

 

「私、来年度は、PTAの役員をやらなければならないんです。

今でも、なかなか休めないのに、二支店分を一人でやるなんて

とても無理です。もう一人、事務の方を増やして頂けませんか?」

 

「もちろん、完全な2班体制になったら、やっぱり一人では

難しいので、採用の準備はしていくよ。」

 

「じゃ、よろしくお願い致します。」

 

しかし、なかなか採用に動く気配は無かった。

 

そんな折、私への意趣返しなのか、Sがとんでもない

禁則技を繰り出してきたのだ。

 

全国の、真面目な経理事務処理担当が、聞いたら・・・。

いや、ちゃんとした会社の総務部が聞いたら、驚天動地な

その出来事に、大人しい(?)私も、震えが止まらぬほど

怒り狂うことになるのだった。

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㊱

展示会用の、様々な商品を用意してくれていた、お馴染みの

ベンダーさんたちが、強引で、傲慢なSを見限り、福岡で

行われる展示会への参加を、見送ることが多くなっていった。

 

Y所長や、私は、今までのベンダーさんに、何とか思い直して

くれるように、電話でお願いしてみたのだが、

「あんな奴と、一緒に仕事なんかできるか!」と

一刀両断されることも、少なくなかった。

 

さすがに、Sも焦ったのか、今までにない商品を扱うベンダー

さんを探し出し、誘致することに腐心していた。

本来、着物や、宝飾品がメインの展示会だったのだが、

ゲルマニウムの商品やら、健康食品まで並ぶようになった。

日ごろから、取引のないベンダーさんとは、仕入れ価格や、

振込日なども、改めて決めなければならないことも多く、

勢い、私の仕事も増えて行った。

 

信販さんを変え、ベンダーさんも変え、何とかかんとか

開催された、やっつけ仕事の展示会だったのだが、

目新しさが当たったのか、何時になく、売上が多くなり、

Sは、上機嫌だった。

 

お帳場で、最終日の〆をしている私の横で、電卓を叩いては、

ご満悦なS。

しかし、私は、どうしても計算が1000円合わなくて、

四苦八苦していた。

 

「え、何、千円少ないの?」

「いえ、多いんです。」

「じゃ、いいじゃん。」

「いえ、そういう訳には、いきません。伝票と収支が

合わなければ、〆るに締められません。」

「何だよ、そんな堅い事言うなよ~。たかが1000円

じゃないか!」

「そういう訳には、行かないんです、経理なんですから!」

 

「千円ってことは、考えられるのは、帯締め

預かり金とかだな。」

「多分、そうだとは思うのですが、入金の伝票がどこを

探しても見つからなくて・・・。」

 

お帳場に、二人っきりで籠っていたからだろうか・・・。

 

薄い仕切りの板の向こうで、新人さんたちの賑やかな声が

聞こえていたのだが、しびれを切らして、

 

「まだですか~。」

「二人っきりで、一体、何をしてるんですか~。」

「ヒュ~ヒュ~」

 

薄い仕切りを、叩きながら、揶揄う声も聞こえてきた。

 

仕切り越しに、「あ~解った、解った、もうすぐだからさ~

壁叩くなよ~。」

そう叫びながら、相変わらず、出ていく気配のないSに、

ちょっと私は、イライラしていた。

 

「所長、みんなと同じところで、待ってて頂いていいですか?

気が散りますので・・・。」

 

「ああ、気にするな~。打ち上げのことで、

みんな、気もそぞろなんだよ。」

 

(いや、そういう事じゃなくて!)(; ・`д・´)

 

「何回やっても合わないなら、もう諦めて、〆たら?」

「明日、改めて、皆に聞いてみればいいさ。」

 

確かに、この狭いお帳場で、これ以上、Sと一緒にいるのは

限界だった。

 

私は、しぶしぶ後片付けに入った。

Sは、意気揚揚と皆の待っているロビーへ出て行った。

 

「今日は、頑張ったな~。荷物を引き上げて、簡単に片づけたら

打ち上げ行くか~。」

 

「わ~い。」

「やった~~~~。」

「所長のおごりですよね~~~。」

「ひゃっほ~~~~っ」

 

翌日になって、例の1000円の犯人が解った。

愛人のMが、入金の伝票を切っていなかったため、

計算が、合わなかったのだ。

私が席を外していた時に、お金だけ金庫に入れて

そのままにしていたらしい。

 

おいおい、君のお陰で、お帳場ランデブータイムが

発生しちゃったわよ!

ああ~~~あ・り・が・と よっ!!  (。-`ω-)

 (嫌味100%増し増しで・・・・)

 

頼むから、二度と間違わんでくれ~~~。  

 

空気を読まないSとの、閉所缶詰は、ダメージ大きいわ!

 

閉所缶詰も、しんどかったが、売上が上がってしまったことで

ますます、Sの独壇場となり、誰も、意見が言えない雰囲気に

陥って行こうとしていた。

 

S所長とY所長との溝も、ここから、さらに深くなっていく。

 

ここまでは、一緒に展示会を開催していたのだが、これ以降

それぞれの所属するチーム別に、展示会を開く形に

移行していくのだ。

 

このことが、またSと私との、第二の闘争の火種となって

行くのだった。

 

 

 

 

 

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉟

展示会が、空中分解しそうな事態だったが、新人の営業

の14人は、何とか、盛り上げようと、展示会用の手作りの

飾りを作ったりして、健気に頑張っていた。

 

S所長や、Y所長が、何かと残業したがるタイプだった為

彼等彼女等も、先に帰るのは、とても勇気のいること

だったと思う。

 

時々お昼休みに、女子達の「こんな筈じゃなかった。」

「もっと、会社帰りに、習い事したり、買い物したり

できると思ってたのに・・・。」

という、悲しい呟きを聞くにつけ、この子達が、いつまで

こういう状態に、我慢できるのか、甚だ不安に思えた。

 

営業時間内に、下らない話をしたり、意味不明な、そして

行く先不明な外出を、Sがしたりしなければ、もっと早い

時間帯に、仕事を終えることができる筈なのだ。

 

単身赴任で、家に帰っても、何もすることが無い・・・って

理由で、新人さんたちを、付き合わせてどうする!

効率の悪い、典型的な、ブラック企業と言われても、

致し方ないではないか・・・。

 

「ねえ、どうして、うちの会社に入社したの?」

 

「お給料が、他より良かったんです。」

「住宅手当全部負担してくれるって、魅力的で・・・。」

 

「まあ、確かにね・・・。」

 

「あと、努力次第では、企画部に転部できるらしいし。」

「●●ちゃん、あなた九大だし、他にも選べたでしょ?」

「九電とか、楽勝だったんじゃないの?」

●●ちゃんは、肩をすくめて、首を横に振った。

 

まあ、確かに、九電は、学歴も必要だけど、だいぶコネが、幅を

利かせているって、噂は、昔からあったけどね・・・。

九州で一番の国立大学出て、うちの会社じゃ勿体なさ過ぎる。

 

おしなべて14人を見てみると、真面目で、いい意味でスレてない

悪く言うと、世間を知らなすぎる、自分の価値を最大限に

売り込めない、謙虚すぎる人が多いのだ。

 

こういうタイプの人は、Sみたいな、自分の価値を、それ以上に

見せるテクニックを持ち、手練手管に富んだ、悪だくみを

駆使するタイプの人間に、上手くこき使われてしまうのだ。

 

幸か不幸か、私は、彼らと同じ年齢の頃、悪名高きブラック

企業に就職し、本の出版企画部に、転部できる事を夢見て、

彼等よりも、更に過酷な営業に従事した経験があった。

当時も、国立の有名大学を卒業して、そんなブラック会社

入社いた同僚もいた。

結果から言えば、毎月バラバラと辞めていく人が

続出する結果になったのだが・・・。

 

私は、新人戦と言われる、売り上げ競争で、全国の中でも

上位に食い込み、しんどいながらも、なんとか頑張って

行こうと思ってはいたのだが・・・。

 

他の営業班が、土日出勤を強いられているのに、憤慨し、

その事で、上司と揉めてしまい、支店全員参加で行われた

裁判もどきの会議の中で、庇った同僚にウソの証言をされ、

裏切られたまま、退職せざるを得ない状況へと、

追い込まれてしまった。

 

「正義」という若気の至りで、新卒第一回目のキャリアを

棒に振ってしまったのだった。

 

そのころの自分と、彼等彼女等が、ついついダブって

見えてきてしまう。

新人さんたちは、あの頃の私みたいに、「アホな正義感」

で、キャリアを棒に振るタイプは、居ないと思うのだが。

今の現状を見る限り、いっそ、早めに見切りをつけて、

次のステップに行った方が、幸せな気すら、してきたの

だった。

 

後に、この私の老婆心は、現実になるのだが・・・。