読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その⑤

Sの恐ろしい能力の、片鱗を見た私は、最年長のオバサンさんと

Sの対策本部を、こっそり立ち上げることにした。

 

「不味いわよね・・・このままだと・・・。」

「どうやら単身赴任になるみたいよ・・・。」

 

「うわ~お目付け役、来ないのね~。」

「奥さん、心配じゃないのかしら?」

「むしろ、自分の目の前で浮気を見たくないってタイプ

なのかしら?」

 

「いやいや、それにしたって、初めての単身赴任で

しかも九州なんだから、一度くらい様子を見に来て、

準備ぐらいやるでしょうに・・・。」

 

しかし、Sの奥さんは、Sの単身赴任の支度はおろか、

その費用すら、ロクに彼に渡していないようだった。

 

「どうしょうかな・・・冷蔵庫、洗濯機にレンジぐらいは

最低でも用意しないと、ダメだよなぁ~。」

 

そんなSの独り言に、早くも反応し、そそくさと世話を

焼きたがる、現地妻候補が、早くも現れていた。

「あ~、私、一人暮らししていた時のレンジとか

ありますけど、良かったら、使います~?♡」

 

「あ~ほんとに?助かるわ~。」

「あと冷蔵庫と洗濯機だな・・・瑠璃さん、安い電気屋知ってる?」

「そうですね・・・このご近所だと●●電器さんが、安い量販店なので

色々種類があると思いますけど・・・。」

 

そんな会話をしながら、年長のおばさんとの極秘対策本部では

ひっそりと、議論が進んでいた。

 

「やっぱり不味いわよ~、もうMちゃん、完全メロメロよね?」

「4月には、新人の女の子が7人も入ってくるっていうのに

所内に、不倫の空気が漂うのは、御免被りたいわ・・・。」

 

「私達、おばちゃんなら、そういう対象にもならないし、

噂にもならないから、一応、単身赴任の準備ぐらいは

一緒に、してあげようか?」

「Mちゃんに任せたら、ほぼ一月で、アウトだと思うわよ。」

 

私達、おばちゃんチームは、何とかSの女性遍歴ライフワークを

所内で発動させないように、最新の注意を払うことにした。

 

しかし、年長のおばちゃんが、何を思ったか突然、

 

「私さ、やっぱり、単身赴任の手伝い辞めるわ~

何か起こったって、もういい、高見の見物させてもらうわ~。」

と、まさかの手のひら返し。

 

「それはないでしょ~~~。」

「知らんよ~、ここで危ない芽は摘んでおかないと、後々

大変な思いをすることになるわよ~。」

 

そう、説得してはみたのだが、最年長のおばちゃんは、頑として

考えを変えることはなかった。

今から思えば、この最年長のおばちゃんも、既にSの魔力に

取りつかれてしまっていたのかも、しれなかった。

 

そして、私の予言どおりに、大変な事態へと発展していく

のである。

 

「だから、言ったじゃないの!」

 

そんな言葉が、私の口から出るのは、そう遠い未来ではなかったのだ。