小さき森を愛する花  瑠璃唐草物語

瑠璃唐草の別名はネモフィラ。ギリシャ語のNemophila は、ギリシャ語の 「nemos(小さな森) + phileo(愛する)」が 語源とされています。そんな愛らしくも健気な花のように生きていきたいと思います。

そろそろ書くべき時なのでしょうかね・・・。 ツインソウル その㉒

新人の歓迎会を兼ねた、その懇親会は、人数も多い事から、

しっかりと、予約を入れてお店を確保した。

前みたいに、さすらいの末、良いお店に入るなんて事は

到底無理だからだ。

 

総勢20名。

ちょっとした宴会ですな・・・。

 

若い子チームは、先に、宴会場へ出発し、大人チームは

少し時間を空けてから、出発した。

Mは、大人チームと一緒に行きたがったが、会場の場所を

知る人物が、あまりいないため、先に、若い子チームの

先導を務めるために、先乗りすることになったのだ。

 

大人チームが、仕事を終えて、やっと外に出た頃は、

トワイライトゾーンに入っており、茜とスカイブルーの

グラデーションに染まった空が、やけに美しく見えた。

 

そんな空を見上げながら、大人チームは、目的地まで

そぞろ歩いた。

 

「ああ、こんな夕暮れの美しい日に、いつか、私は、

Sとの不思議な出来事を、お互い、話すなんてことが

あるんだろうか・・・・。」

 

あれ、急に、乙女チックに陥ったぞ。

トワイライトタイムのマジックかしら!?

思わず、一人、首を横に振りながら、現実に戻る私。

 

「いや~いいね~。福岡ってさ、もっと田舎だと思ってたよ。」

「ここから見えるネオンが、良い感じだな~。」

 

そんな事を言いながら、ちょっとハイテンションになっていた

のは、千葉から来た、元店長だった。

彼は、ビジュアル系にありがちな、顔立ちが整ったタイプだったが

残念なことに、私よりも、身長が低いミニマム男子だったのだ。

 

彼が千葉の店長として働いていた時は、事務方との女性、つまり

私と同じ職種のおばちゃまとは、あまり仲が、芳しくなかったようだが

思ったほど、難しい性格でもなさそうなので、私は、内心ほっとした

のだった。

 

「そうでしょう? 福岡いいでしょう~。食べ物は美味しいし、

お姉さんたちは、綺麗だし、独身男性には、堪らん町ですよ~。」

 

「うん、何だか、凄く楽しくなってきた!」♪

 

(「以外に素直だよね・・・。」)

 

まあ、Sに比べれば、誰だって、そう思えたかもしれないが・・・。

 

 

お店につくと、待ちきれなかった若い子たちは、既に、良い感じに

出来上がっていた。

やっぱり、お酒が入ると、普段の彼らとは違う、別の顔がでてくる

らしく、意外な素顔を見ることができた。

普段大人しいけど、意外や意外、めっちゃお酒に強い子とかね!

よっぽど楽しかったのか、テンションが上がりすぎ、若い子たちは

お店の人に、何度も、「静かにお願いします」との注意を

受けてしまった。

 

大人チームは、お酒や、チューハイを、ちびちび

飲みながら、普段は見られない、若い子たちの、別の顔を

楽し気に見つめていた。

 

「いや、さすがに、あそこまでアゲアゲにはできんね~。」

 

まったりとお酒を楽しむ、大人チームだったが、Sだけは

若い子チームに交じり、楽し気に、爆笑していたのだった。

 

一次会は、お開きとなり、二次会は、どこへ行こうかと

みな、それぞれにアイディアを出し合ったが、場所が決まらず

一旦、外へ出て、歩きながら探すことになった。

 

すると意外なことに、Sが、「おれ、一旦ホテル戻るわ。」と

言い出した。

すると、Mは、びっくりし、「え~2次会行かないんですか~。」

所長が戻るんなら、私も、一緒に行きます~~~~。

 

(おいおい、ホテルに一緒に行くですと!?)(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

 

「あ・・・いや、ちょっと戻って、自宅に電話して、また

戻ってくるよ。」

二次会、どこでやるのか、教えてくれたら、あとで、そこに

合流するから・・・。

そう言うSに、まだ納得できないのか、ごねるM。

 

「僕ね、こうみえても、二児の父なんですよ。電話するって

約束しちゃったからね。約束守らないとね・・・。」

 

まだ、納得してなさそうなMだったが、おばちゃんと私で、

強引にMを引きずって、次の場所へと引っ張っていった。

次の場所は、カラオケのあるスナックということだったが

12時を回ったこともあり、シンデレラな私は、(爆)

「じゃ、ここで私は帰るね!」とお先に、失礼することに

したのだった。

 

「え~ちょっと、来ないの! 私ひとりじゃ、手に負えない

じゃないのよ~。」

とおばちゃまは、のたまったのだが、地下鉄電車の終電に

間に合わなくなる私は、手を振り、さっさと撤収したのだった。

 

終電乗るの、初めてだわ・・・。

ちょっとビビリ気味で乗車した私だったが、意外にも、酔っ払い

は、ほとんどおらず、静かな社内だった。

 

そりゃそうか・・・・。

博多じゃ、12時(0時)は、宵の口だもんね。